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司馬遼太郎 感想リスト
義経(上・下) 【感想】 長編 1968/05 文藝春秋
1977/01 文春文庫
2004/02 文春文庫新装版
坂の上の雲 【感想】 長編 (これ以前未調査)
1972/01 改訂 文藝春秋
1978/01 文春文庫
1991/01-02 文春文庫
2004/05 文芸春秋
2004/06 <新装版>文藝春秋

義経(上・下)
【内容】
源氏の棟梁の息子として生まれながら、父の敗戦・死により寺に預けられた不遇の少年時代を過ごし、天才的な軍事力で次々と戦で功績を挙げ、京の人々の人気を得ながらも、兄・頼朝に恐れられ、遠ざけられた挙句に殺されてしまう源義経の悲劇的な生涯。

【感想】
義経本人についての描写が、あまりにもあっさりしているような気がする。弁慶との出会いや関係を深めていく様も殆どないし、京を落ちてから死ぬまでがかなりの駆け足なので悲劇性があまり感じられない。静御前との関係もそれほと特別な『悲恋』という感じがしないし。

それでもまぁ、これはこれで1つの表現なのだろう。世間で有名なエピソード(弁慶との出会いの場面や弁慶の最期など)は本当にあったことなのか怪しいので、史実として明らかになっていることのみを描き、そこに司馬遼太郎の解釈を加えたものという感じで。

この小説を読む限り、義経は天才肌の軍事家ではあるが、感情的で頭の悪い女好きという印象で、あまり魅力的な人物に思えない。頼朝に誤解されている状態でどんどん立場が悪くなることにも、同情はするけど本人も悪いし、と思ってしまう。魅力的に描けばもっと描けたのだろうにね。

これはこれで面白かったけど(勉強にもなったし。。。九郎というのが九男を指していたとは知らなんだ)、嘘でもいいから典型的なエピソードを詰め込んだ義経の物語が少し読んでみたいのでした。

(2005.05.27)

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坂の上の雲
【内容】
松山出身の歌人正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の三人を軸に、維新から日露戦争の勝利に至る明治日本を描く大河小説。全八冊。

【感想】
文庫本全8冊というボリュームで、途中、図書館で借りた本を読むため飛び飛びになったりもしたが、気分は「一気に」読んだという感じ。面白かったです。

なんせ長いので、読みながらいろいろなことを思ったけど、最早順番がよくわからなくなっているので適当に書きます。

まず「戦争という大きなプロジェクト」について。仕事上、プロジェクトということで体制を組んで役割を決めて戦略をたてて方針を決定して進めていく、ということは自然にやっているけど、当たり前ながら戦争というものもそうだな、と。それも途方もなく大きな。

いわゆるプロジェクトと異なるのは、相手と協議ができない(駆け引きはあれど)、天候などといった人間にはどうしようもない予測不可能要素が大きく影響することかな。そんなこともあり、これを運営していくのって凄いことなんだなと改めて感じました。「凄い」であって「素晴らしい」では勿論ないので、そこは誤解なきよう。

一般のプロジェクトでも上に立つ人の出来具合によって成否が決まることはあるけど、戦争の場合はそれが人の死や国家の存亡に関わるからな〜。無能な将を抱いたチームは本当に気の毒だ。乃木と伊知地の最悪な旅順攻撃で、死ぬために投入された兵士たち、ロジェストウェンスキーに連れられて過酷な船旅に耐えながらも、無能な指揮で無駄死にしていった兵士たち。なんて哀れなんだろうと思ってしまう。それでも何も言わず、そういう役目だと思って従うのが、当時は当たり前だったんだよね。

勿論これは小説であり、作者の思想や主観がかなり入っていることを忘れてはいけないのだけど。

日露戦争なんて、歴史の教科書では「日本が勝ったこと」くらいしか載っていなかったのではないだろうか。私も具体的な内容は殆ど知らなかったな、と改めて思いました。「二百三高地」という言葉も聞いたことはあったけど、それが日露戦争で起こったことだというのも知らなかったし、「本日天候晴朗なれども波高し」という言葉に聞き覚えはあったが、ここで登場していたのも知らなかった。

どちらかというと、「戦争」という圧倒的な舞台に対する感想ばかり浮かんでくるのだけど、自ら望んでと言うよりは、流れのままに軍人となった感のある秋山兄弟が、素晴らしい活躍をしたというのも面白い。正岡子規の役どころの意味は今ひとつよくわからなかったけど。。。


以下は蛇足ながらというか、読み飛ばしてもらってよいのですが(^^;)

「軍人は戦争をするために存在する」という当たり前のことを、改めて実感したこの小説。ゲーム「サクラ大戦」をプレイしていると、軍隊は日本を守るために妖魔と戦うものだ、という気がしてくるが、やっぱり本来の軍隊は日本以外の国と戦争するために存在するものなのだ。大神君のフランス留学も決して訳のわからない相手と戦うために行ったのではなく、日本を戦争で勝利に導くためだったのだなぁ。当たり前だけど。

その他、「機動戦士ガンダム」のホワイトベースを率いていたブライトさん、19歳という若さで民間人も乗っている1つの戦艦を統率する苦労は、並大抵のものではなかったのだろうなぁ、とか、「宇宙戦艦ヤマト」のヤマトって、1年間、一切の補給無しに旅を続けなければならなかったのだなぁ、とか、今までなんとなく見過ごしていた物語への新たな感想を抱いたりして。

何はともあれ、面白い小説でした。

(2004.05.13)

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