| 恩田 陸 感想リスト | ||
| 六番目の小夜子 【感想】 | 長編 | 1992/07 新潮社文庫 1998/08 新潮社 2001/01 新潮社文庫 |
| 不安な童話 【感想】 | 長編 | 1994/11 祥伝社ノン・ノベル 1999/04 ノン・ポシェット 2002/11 新潮文庫 |
| 三月は深き紅の淵を 【感想】 | 連作短編 | 1997/07 講談社 2001/07 講談社文庫 |
| 光の帝国−常野物語 【感想】 | 連作短編 | 1997/10 集英社 2000/09 集英社文庫 |
| 象と耳鳴り 【感想】 | 連作短編 | 1999/10 祥伝社 2003/02 祥伝社文庫 |
| 木曜組曲 【感想】 | 長編 | 1999/11 徳間書店 2002/09 徳間文庫 |
| 月の裏側 【感想】 | 長編 | 2000/03 幻冬舎 2002/08 幻冬舎文庫 |
| ネバーランド 【感想】 | 長編 | 2000/07 集英社 2003/05 集英社文庫 |
| 麦の海に沈む果実 【感想】 | 長編[水野理瀬] | 2000/07 講談社 2004/01 講談社文庫 |
| ライオンハート 【感想】 | 長編 | 2000/12 新潮社 2004/01 新潮社文庫 |
| MAZE 【感想】 | 長編[神原恵弥] | 2001/02 双葉社 2003/11 双葉文庫 |
| ドミノ 【感想】 | 長編 | 2001/07 角川書店 2004/01 角川文庫 |
| 黒と茶の幻想 【感想】 | 長編 | 2001/12 講談社 |
| 図書室の海 【感想】 | 短編集 | 2002/02 新潮社 |
| 劫尽童女 【感想】 | 短編集 | 2002/04 光文社 2005/04 光文社文庫 |
| ロミオとロミオは永遠に 【感想】 | 長編 | 2002/11 早川書房 |
| ねじの回転−FEBRUARY MOMENT 【感想】 | 長編 | 2002/12 集英社 |
| クレオパトラの夢 【感想】 | 長編[神原恵弥] | 2003/10 双葉社 |
| 黄昏の百合の骨 【感想】 | 長編[水野理瀬] | 2004/03 講談社 |
| 夏の名残りの薔薇 【感想】 | 長編 | 2004/09 文藝春秋 |
| 六番目の小夜子 |
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【内容】 三年に一度、サヨコと呼ばれる生徒が、見えざる手によって選ばれるという伝説がある高校に、津村沙世子という謎めいた美少女が転校してくる。その年は「六番目のサヨコ」が誕生する年であり、学園生活じゃ微妙な歪みを見せ始める。本作がデビュー作。 【感想】 なんかちょっと腰くだけ。中盤はなかなか良い感じだったのだけど、結局沙世子は普通の女の子だったのか。。。途中の思わせぶりな描写の数々は何なんだ?また、なんで校舎に火をつけさせようと思ったのだ?解決しない疑問が残るのがダメとは言わないが、この残し方は釈然としない。キャラクターや学園生活の描写は良かったと思う。 そして、「似てる」という印象が拭えないのが吉田秋生の「吉祥天女」。名前も「小夜子」だし。超絶な美少女の転校生、彼女に憧れる女子生徒、謎を解明しようとする男子生徒。今手元になく読み返せないので実はそれほど似ていないのかもしれないけど、第一印象がね。あれもまた読んでみたいなぁ。 (2004.06.09) |
| 不安な童話 |
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【内容】 女流画家・高槻倫子の遺作展に行った古橋万由子は、突然幻想のようなものを見て意識を失って倒れる。画家の一人息子である高槻秒に「母の生まれ変わり」と言われた万由子は、成り行きで上司であるちょっと変わった大学教授と共に、倫子が若くして殺された謎を追うことになる。 【感想】 超常的な現象を扱いつつ、最後はきちんと推理小説として着地、結末に納得もいく。結末そのもは、私には実はあまり面白いとは思えなかったのだけどね。結局そういうことですか、と。 キャラクターはそれぞれに面白いし、先へ先へとぐいぐい読まされる本ではあるのだけど、危機的場面はあまりにも急にテレビ的になったような感じがして、少し違和感を感じた。まぁまぁ面白かったし人気のある作品のようですが、ぐっと来るものがなかったなぁ。 (2005.11.07) |
| 三月は深き紅の淵を |
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【内容】 たった1人にたった1晩だけ貸すことが許されるという「三月は深き紅の淵を」という本をめぐる物語。謎めいた本をモチーフにしたミステリアスな展開。 【感想】 1章から3章まではなかなか面白かった。1章の時点では長編だと思っていたので、ラストで一瞬肩透かしの印象を受けたが、それはそれ。『面白い本を探す』というテーマは、なんだかワクワクするよね。2章は手探りで読んでいた感はあるが、あっさり作者がわかってしまったのはちと残念かな。3章は良かったな。女性作家らしい繊細な感じで。だがしかし、4章がよくわからなかった。私小説風な所はあまり好きではないし、色々と話が混ざっていて関連性がわからない。結局、4章を通して1つになったという感じがなく、もう一息何かあれば。。。という感想に終わった。 (2004.06.24) |
| 光の帝国−常野物語 |
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【内容】 「常野」から来たと言われる一族には、膨大な書物を暗記する、遠くの出来事を知る、近い将来を見通すといった、不思議な能力が備わっていた。普通の人々の中でひっそりと暮らす彼らをめぐる連作短編集。本の紹介には「優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章」とある。 【感想】 独特のイメージが喚起され、スケールも大きそうだと予感させてくれる短編集。が、紹介にもある通り、『序章』なんだよね。続きが気になるエピソードがたくさんあるし、あとがきで著者も「続きを書きたい」と書いているので、私も期待しよう。説明がない現象がたくさんあるしね。本当に書いてくれるとよいのだけど。 (2004.10.25) |
| 象と耳鳴り |
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【内容】 引退して悠々自適の生活をおくっている、元判事・関根多佳雄。彼とその家族、知人の周りには一見不思議な謎をかかえた人々が集まるが、関根は持ち前の洞察力でそれらの謎を推理し、解を与えていく。 【感想】 一部には明確な解答が与えられ、一部は推論のみに終始し、謎が残る。「象と耳鳴り」なんかは、正直言って何がなんだかよくわからない(関根が気付いた『嘘』ってなんだ??)。それでも、この人の文章と雰囲気には独特の魅力があり、ひきつけられるんだな。「海にゐるのは人魚ではない」「ニューメキシコの月」「廃園」あたりが、特に印象的で面白かった。 (2005.08.25) |
| 木曜組曲 |
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【内容】 耽美派小説の巨匠と言われた重松時子が薬物死を遂げてから、四年がたった。時子に縁の深い女たちは、毎年うぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催す。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。疑惑と秘密を隠した表面上のなごやかさは、謎のメッセージをきっかけとして大きな渦に飲み込まれてしまう。はたして時子は、自殺だったのか、他殺だったのか? 【感想】 それぞれに個性豊かな女たちの細やかな心理描写はなかなか面白い。でもぐるぐるめぐって結局真相はこうだった→はいそうですか、という感じ。特にぐっとくるものがないんだよね。 読まされてしまうのでついつい読んでしまうが、これといって感銘を受けない、の繰り返しだなぁ。今回もまたそうだった。でも何か良いものがありそうな気がして、これからも読み続けるのだろうな。 (2004.08.03) |
| 月の裏側 |
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【内容】 九州の水郷都市で失踪事件が相次いだ。消えたのはいずれも老女だが、失踪者はみな記憶を喪失した状態で、ひょっこり戻ってくる。しかし何かが違う。やがて失踪事件はじわじわと広がり始める。 【感想】 すっきりしない終わり方だ。。。 途中は面白い。ぞくぞくする怖さがあるし、先の展開は気になるし、キャラもなかなか良いし、ページをめくるのがもどかしいほど。しかし最後がなぁ。あれで良いの?私はやっぱりすっきりと問題が解決してカタルシスを味わいたいのです。どちらかと言うと勧善懲悪・大団円が好きなもんで。 どうもこの人の作品で「当たり!」というのが無いなぁ。雰囲気は良いのだけどね。 (2004.07.04) |
| ネバーランド |
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【内容】 伝統ある男子校の寮「松籟館」で、冬休みに帰省せずに居残ることにした4人の少年。イブの晩の「告白」ゲームをきっかけに事件がおこり、日を追って謎は深まっていく。そんな中で、それぞれが隠していた「秘密」が明らかになってゆく。 【感想】 ようやく素直に「良かった」と言える、恩田作品に出会ったかな。「素晴らしい!」というまででもないけど。あくまでフィクションの『少年』なのはわかっているのだけど、みんな良い子で清潔感の中に汚くない『影』があり、もっと昔だったらずっぽりハマっていたかも。 ちょっとアヤシイっぽい言動も、素直に受け止められるんだよね。建築探偵シリーズとは違って。どこに線引きがあるのかは自分でもよくわからない。 清々しい読後感でした。 (2004.08.17) |
| 麦の海に沈む果実 |
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【内容】 湿原に囲まれ世間から孤立している学園に、二月最後の日に転校してきた理瀬。その学園には「三月以外にやってくる転入生は学園を破滅に導く」という伝説があった。閉ざされた世界の中で失踪する生徒たち。図書館から消えた本。奇妙な学校行事。数々の謎に彩られた理瀬の学園生活の行方は。。。 【感想】 これは良い。世間から孤立した学園、それぞれに謎や残酷さを抱えた美少年・美少女たち。なんだか萩尾望都っぽい世界だなぁ。登場人物のキャラクターからエピソードまで、丁寧に繊細に描かれている全てに引き込まれる。 最後の方で主人公にまつわる謎が解けていく様は、なんだか悲しかった。主人公はあくまで弱い立場であって欲しかったような。。。黎二とのシーンがとても良くて、彼の結末が哀しかった。 (2004.09.02) |
| ライオンハート |
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【内容】 時代と場所を変えながら出会うエドワードとエリザベス。その生涯にとってはただ一度の出会いながら、2人は深く惹かれあい、愛し合い、そして別れていく。時空を超えたラブストーリー。 【感想】 うーーーーーん。タイムパラドックスもの大好き、「時を超えた」設定大好きなので、紹介文を読んだ時は絶対に気に入るだろうと思った。が、ハマれなかった。各時代でのエピソードがあまりにもバラバラすぎて、繋がりが感じられないんだよね。それぞれの邂逅の場面も短くて、感動するに至らないし。良いシチュエーションだけに残念。さすがにこの人の文章、雰囲気は良いのだけどなぁ。 最後の(でしたっけ?老夫婦の。。。)エピソードだけは良かったですが。 (2005.11.13) |
| MAZE |
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【内容】 アジアの西の果てにある白い建造物では、はるか昔から入った人間が突然消えてしまうという事件が起こっていた。その謎を解き明かすため、神原恵弥、時枝満、スコット、セリムの4人がこの地にやってきた。彼らは果たして謎を解明することができるのか。 【感想】 読んでいる最中は面白かった。不可思議な謎がどのように着地するか楽しみで、ぐいぐい読まされた。キャラ設定もなかなか魅力的だったし。 その割には結末が現実的な方向に走り始め、それはそれでまぁ1つの解決だな、とは思ったが、最後の最後にちらっと謎めいた場面が出てきたりして、一体どちらを目指してるのだ??という感じで、釈然としない終わり方だった。中途半端だ。 ところで、恵弥のキャラはなかなかよかったけど、実際、美形の男に女言葉を使われたら、どんな感じがするのだろう? (2004.09.13) |
| ドミノ |
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【内容】 営業成績ギリギリで契約書を待ち望む生命保険会社、俳句のオフ会のため田舎から出てきた老人、ミュージカルのオーディションを受ける母娘、女と別れたい青年実業家とその従姉妹、ミステリー研の幹事長の座を争う学生たち、来日中のホラー映画監督などなど、様々な立場の人がかかえるちょっとした事件が、東京駅で入れ替わった紙袋をきっかけに、東京駅全体を揺るがす大パニックに発展する。 【感想】 バラバラにみえた出来事が、ちょっとしたきっかけでどんどんつながっていき、最後は東京駅に関係者が大集合する大事件へと発展していく様子が面白かった。うまく出来てるよねぇ。この先どうなるのか気になり、ぐいぐい読まされる。 とりあえず、今回の登場人物たちは皆うまく収まるところに収まったわけだ。最後の最後の小さな駒を残して。ん〜私はどちらかというと全てがスッキリ終わって欲しい方なので、出来ればすべて解決大団円といってほしかったところだけど、Amazonの紹介を見ると「スラップスティック・コメディ」とあるので、それもまた良しなのだろう。 (2005.07.26) |
| 黒と茶の幻想 |
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【内容】 学生時代の同級生だった利枝子、彰彦、蒔生、節子は、卒業から十数年の時を経て、4人で島へ旅行をする。深い森林の中で4人それぞれの過去が浮かび上がり、交差する。微妙に変化する彼らの想いはどこに着地するのか。 【感想】 誰にも人に見せない心の内の闇がある。小さな謎をちりばめながら、視点を変えて同じ人・同じ事象を見ていく構成が面白かった。 謎に、そして各登場人物の想いにひきずられてぐいぐい読まされるのだけど、読後感がそれほど良くないんだなぁ。「それで?」と言いたくなるような。。。何なんだろうね、これは。良かった!とは言えない私です。 (2004.07.17) |
| 図書室の海 |
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【内容】 「六番目の小夜子」の番外編というかサイドストーリーである「図書室の海」の他、不思議な話や怖い話、SFなどを取り混ぜた短編集。 【感想】 半分くらいは別の長編の予告編や番外編で、いささか物足りない感があったのも確か。しかしながら、文章を読んでいるだけで心地良い作家というのもなかなかいないので、満足はできた。 アイデアが目新しくないものもあったが、ストーリー自体がどうであれ、「春よ、こい」のイメージの美しさ、「茶色の小瓶」の追い詰められた場面の怖さ、「睡蓮」に描かれた少女の微妙な心理、「オデュッセイア」の壮大でありながら身近な感覚(うまく言えないなー)等々、読んでいる時間そのものを楽しめる作品だった。 特に好きなのは「春よ、こい」「オデュッセイア」あたりかな。話がよくわからないけど、「ノスタルジア」も良かった。 (2005.01.18) |
| 劫尽童女 |
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【内容】 父親の手で超能力を持ってしまった少女・遙は、父と共に父の属していた機関「ZOO」から逃亡した。しかしながら「ZOO」の工作員に見つかってしまい、父を失う。自分と同様に超能力を与えられた犬アレキサンダーと逃げ出した遙は、孤児院に隠れ住む。しかし、そこも安住の地ではなかった。 【感想】 なかなか良いシチュエーション、キャラクターなのだけどなぁ。全体として話にまとまりが無いというか、中途半端というか、何を狙った物語なのかわからない。最後の方もえらく大きな話になったかと思えば、終幕はなんだか謎。 いくらでも面白くなった素材という気がするのだけど。。。残念。「読ませる」のは相変わらずなんですけどね。 (2005.10.10) |
| ロミオとロミオは永遠に |
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【内容】 日本人だけが地球に残り、廃棄物処理を担当する近未来の世界において、エリートの立場を得るためには「大東京学園」で卒業総代になることが唯一の道だった。厳しい受験戦争を経て入学した少年たちは、学園で更に厳しい試練にさらされることになる。そして、その体制に疑問を持った生徒たちによる、脱走劇が繰り広げられる。 【感想】 一つの圧倒的な世界観の構築という面は素晴らしく、悪役含めてキャラクターが面白く魅力的、話の展開も先が読めずにハラハラするし、「ページをめくる手が止まらない」、「話の速度に読む速度が追いつかず、理解する前に目がどんどん先に行ってしまう」感覚を味わえた。20世紀のサブカルチャーに関するくだりも、私などは世代がぴったり合うため、ニヤっとさせられるしね。 しかしなー、ラストがいまひとつ。そうやって終わらせるんですか??うーん。。。 以下、ネタバレ感想。−−− あれでは元の世界は何も変わらない。校長は見込んだ生徒を送り込んでいるらしいけど、送られた生徒たちには別に「世界を変えてやろう」という気概はないようだし、意味ないんじゃ。。。 やっぱり、未来の世界をどうにかする方向で決着をつけて欲しかったなぁ。そうじゃないと、死んでいった生徒たち(最後の方、ぽんぽん死んでましたね)が浮かばれない気がするよ。 −−− (2006.01.19) |
| ねじの回転−FEBRUARY MOMENT |
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【内容】 人類を悲惨な運命から救うべく、歴史を変えるために未来から1936年2月26日の東京に送り込まれた安藤大尉たち。2.26事件による厳戒下で、思わぬ事態が次々と発生する。繰り返される歴史への介入は、最終的にどんな結末をむかえるのか。 【感想】 着想は面白い。また2.26事件の時代の特性もリアルに感じられ、選ばれた者たちの行動・気持ちにも感情移入できた。「フレームをかける」とか「時間をつまむ」という辺りはいまいち理解できなかったけど。 しかし最後がよくわからん。結局どうなったの?途中で出てきた「時間遡行の無い世界」の中にもマツモトはいたし、彼が残った後の最終的な世界は?それとも、修正に修正が重ねられているため、常に変動していると考えればよいのだろうか。一番最後のシーンは「想像してごらん」とか言う書き方だったしねぇ。 やっぱりどうも、この人の作品は「面白いけど何かが足りない、すっきりしない」という感じです。 (2004.07.18) |
| クレオパトラの夢 |
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【内容】 「MAZE」に登場した神原恵弥が再登場。北国の街で交錯する、駆け引き、思惑、謎。果たして真実は? 【感想】 謎が謎を呼び、新しい事実、物事の新しい側面が次々と現れ、目が離せない展開で面白かった。神原恵弥というキャラも、なかなか魅力が増している。でもやっぱり前作「MAZE」と同じく、結末が釈然としないんだよな。なんだか憶測の積み重ねだけで終わるというか。 読んでいる最中のめくるめくような描写と展開が面白いので、期待しすぎなのかしらん。一度、どっしりと正面から謎に取り組んで自分のものにする恵弥の姿が見てみたい。この人を映像化したらどんな感じなのかな。どうも女言葉ということで、アンジェリークのオリヴィエのような長髪男性を思い浮かべてしまうのだけど、見かけは全く普通の男性ということだからね。 途中気になったのは、札幌市はちゃんと名前が出ているのに、どうしてH市とかG稜郭とか、見え見えな固有名詞を仮名にするのだろうか、ということ。謎だ。 (2004.09.24) |
| 黄昏の百合の骨 |
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【内容】 「自分が死んでも、水野理瀬が半年以上ここに住まない限り家は処分してはならない」という遺言を残して逝った祖母。その言葉に従い、理瀬は「魔女の館」とよばれる洋館にやってくる。家を守っている祖母の継娘姉妹や、久しぶりに会った従兄弟たちとの、微妙な緊張感中で、祖母の残した謎を探る理瀬。 【感想】 相変わらず、キャラクターや会話、謎めいた雰囲気は魅力的で、先へ先へと読み進めずにはいられない。すっかり騙されたと思っていたら、その後にくる反転もまた面白かった。が、やはり「途中の物語」という感じなんだなぁ。恵弥のシリーズでも感じることなのだけど、大きな流れの本当に端の方をかすっているだけという印象が否めない。それだけに、この先を期待していまうのもまた事実なのだけど。彼女を中心に据えた物語を読みたいなぁ。 まだこの理瀬が登場する物語があるそうな。探して読まなきゃ。 『図書室の海』(幼い頃の理瀬に関する短編収録)、 『殺人鬼の放課後』(ヨハンに間する短編収録) (2004.12.13) |
| 夏の名残りの薔薇 |
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【内容】 旧財閥系沢渡グループの三姉妹が毎年秋に主催する、山の中にあるホテルでの豪華なパーティ。そこに集う人々の関係は、近親相姦、不倫等々、複雑にからまりあっている。そんな中で事件は起こる。。。 【感想】 最初の章では、ちょっとインモラルな味付けのある普通のミステリーかと思った。が、2章目から様相が一変。なかなか面白い趣向だとは思い、最後どうオチをつけるのかな?と思っていたら、「なんだそりゃ??」である。う〜ん、この人の文章、描写は好きなのでなんとなく読んでしまえるのだけど、きっちりオチはつけてくれないとねぇ。次々と視点が変わるうちに新事実が色々な角度から浮かび上がってくるのは面白かったので、残念。 「去年、マリエンバートで」からの引用は不要というか邪魔でしたが。途中から読んでいなかったですよ。。。 (2005.10.15) |