| 宮本 輝 感想リスト | ||
| 流転の海 【感想】 | 長編 | 1984/01 福武書店 1990/04 新潮文庫 |
| 森のなかの海 【感想】 | 長編 | 2001/06 光文社(上・下) 2004/09 光文社文庫 |
| 流転の海 |
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【内容】 第二次世界大戦前には事業でかなりの成功を収めた松坂熊吾は、敗戦で店を失ったものの、戦後の大阪の闇市で再起を図る。そんな中、四度目の妻・伸江が諦めていた子供を授かり、50歳にして初めて父親となる。体の弱い息子・伸仁の成長を見届けることを誓いつつ、様々な波乱に見舞われながら商売に取り組む熊吾の生き様を描く。 【感想】 第四部が文庫化されたのを機に何度目かの再読。1つ1つが出るまでの間隔が長いので、その都度第一部から読まないと、話を忘れているのよね。 大胆かつ繊細かつ時々無鉄砲な熊吾というキャラクターが面白く、彼をめぐる人々もそれぞれに個性的で様々な関わりと別れがあり、面白い。こういう大河小説的なストーリーって好きなのだ。途中までは熊吾の視点で描かれていた妻の房江が、主になって描かれ、以前の熊吾の様子が客観的(とは言え、惚れた女の視点なので完全に客観的とは言えないのだけど)に語られる部分も面白い。 熊吾、房江、伸仁のそれぞれの行く末が気になる。この先どのような展開を見せるのだろうか。 (2006.02.27) |
| 森のなかの海 |
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【内容】 夫と2人の子供を持ち、平穏に生きていた36歳の仙田希美子の生活は、阪神大震災をきっかけに大きく変わっていく。震災時に愛人の元へ走った夫と離婚し、ふとしたことで知り合った老婦人の広大な土地と山荘を相続して、奥飛騨の山奥に移り住んだ希美子。震災で親を無くした三姉妹を引き取り、その友人の少女たちとささやかな共同生活を営む中、老婦人の謎に満ちた生涯を辿ることになる。 【感想】 大きな起承転結があるというよりは、仙田希美子を中心としてめぐる色々な人々の人生を、大きな視点から眺めているような感じ。焦点がいくつかあるので(老婦人の謎、少女たちの行く末etc)全体としての盛り上がりに欠けるとも言えるけど、中心となる希美子の人生に身を任せて、その感覚を楽しめるのが宮本作品の良さという感じかな。 希美子の夫に対しては、溜飲が下がるような場面が欲しかったところだけど、敢えて出さないのが宮本輝なのかな。 (2005.10.26) |