| 鮎川哲也 感想リスト | ||
| 黒いトランク 【感想】 | 長編 | 1974/09 角川文庫 2002/01 光文社文庫 2002/01 創元推理文庫 |
| 黒いトランク |
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【内容】 一九四九年十二月十日、東京・汐留駅に届いた大型トランクのなかから、男の腐乱死体が発見された。最初は簡単に見えた事件だったが、簡単に容疑者は死体でみつかり、様々な登場人物が絡んで謎は深まる。鬼貫警部は犯人の挑戦に勝つことができるのか。 【感想】 「歴史的作品」「アリバイ崩しの傑作」などなど評判を聞くだけで目にすることの無かったこの作品、図書館でふと目に留まったので借りてみた。さすがに古いだけあって、人物のキャラクター造形や台詞まわし、犯行の動機、思想的背景などは古めかしい。同じような時代を描いているにしても、京極夏彦なんかとは雰囲気が違うよなぁ。ま、あれは独特なんだけど。 昔の恋人のために執念深く謎に挑んでいく主人公の姿はなかなか良かった。その割に結末(恋人との)はあんな感じなのね。納得いくような、いかないような。でも少し切ないな。ちょっとしたことから謎が1つずつ綻んでいき、最後のトリックが遂に解き明かされるまでの過程は、まあまあ面白かったけど、複雑なので飛び飛びに読んでいると頭がついていかず、最後の種明かしでも「ふーん、なるほどね」くらいにしか思えないんだよね。大筋でどーんとくる方が「やられた」という感じが大きいのだ。 それなりに面白かった、というところかな。 (2005.01.06) |